東京支部十月例句会報告(平成25年)[岸一泉]

日時: 平成25年10月12日(土)

場所: 杉並会館

参加者: 13名


兼題句【やや寒】:

主宰選 互選 作者

スーパーの冷凍売場やや寒し 塩原正喜
やや寒や一人世帯のあと廻し 石川菊子

やや寒やひょいと朝刊とりに出ず 長谷川勢津子
西空へ月移りけりそぞろ寒 川端三雄
やや寒しまさぐる掛布うたた根て 田口君枝

 
やや寒に金木犀の匂立ち 岡田寛
  やや寒や痩せし歯茎に麻酔針 押味路子
やや寒や何時になるのか異状気象 中山子泉
やや寒や灯りて低き村の軒 岸一泉
やや寒の晩に気の付く耳毛かな 吉田洋

宵寝して薄きショールのやや寒し 並木まどか

やや寒の野に落日の力なく 佐藤篤司

やや寒や犬が引きたる綱の張り 並木まどか

 

持参句:

主宰選 互選 作者

1 露草の露ひとしづくこぼれ落つ 岸 一泉
  6 城跡の空堀深し虫の声 佐藤 篤司
5 膝頭たたいてかはす新酒かな 佐藤 篤司
紫苑咲く深空写して畑の道 並木まどか
3 デパートの五輪決定祝ふ秋 岸 一泉
  1 引き綿の叩き雲とぶ芒原 押味 路子

0 犬の尻振り振り子秋の空 吉田 洋
  4 降り立てば一気に迫る山の秋 田口 君枝

1 突き出でて川面に映す紅葉かな 田口 君枝

1 秋深し焼いか食めば味出づる 吉田 洋

4 父母の眠る大地や芒原 岡田 寛

4 風紋の走る浜辺や秋の風 川端 三雄
3 東天のしらじらと月かたぶけり 長谷川勢津子
  4 万物を照らし続ける今日の月 中山 子泉
  3 波が波押して暮れ行く野分けかな 川端 三雄
  4 またひとつ齢たまはり温め酒 長谷川勢津子
  2 オレンジに染まる道の端金木犀 中山 子泉
  2 物蔭に鳴くこほろぎの掠れ声 並木まどか
  0 栗飯の季節の香り親子膳 石川 菊子
  2 名月に逝きたる人の影うかべ 岡田 寛
  2 地に還るもの皆ひそと草の花 金子 如泉
  2 紙飛行機宙に舞ひけり秋高し 塩原 正喜
  2 生き死にの一つとなりて秋の道 金子 如泉
1 烏瓜仰げば一つ低きかな 押味 路子
4 父植える家族の歩み木守柿 石川 菊子
1 金木犀まるまる刈られ香をこぼす 塩原 正喜