日時: 平成25年11月2日(土) - 3日(日)
場所: 栃木県鬼怒川温泉(ホテルニューさくら)
参加者: 15名
持参句:
主宰選 | 互選 | 句 | 作者 |
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入 | 5 | 眠り児の手から溢るる赤のまま | 井上恵子 |
2 | 車停めしばし花火を眺めけり | 稲葉貴泉 | |
0 | 瓶に挿す野菊少女の昔振り | 金子如泉 | |
[人] |
8 |
山寺の日暮れは早し赤のまま |
岸一泉 |
7 | 里閑か墨絵のような十三夜 | 新井セツ | |
[天] | 8 | 一等の通知届くや今年米 | 荒井イト |
[地] | 7 | 被災地に続く空なり今日の月 | 稲葉道子 |
7 |
亡き人に聴くすべもなし秋の風 |
鈴木美枝 | |
入 | 6 | 庭下駄の鼻緒のゆるびそぞろ寒 | 長谷川勢津子 |
入 | 5 | 朝雨のほどよきしめり大根まく | 飯島サヨ |
0 | 徘徊す狼犬や月明かり | 小野みゆず | |
5 | 小枝影釣瓶落しや西の窓 | 石川菊子 | |
1 | 秋灯下孫の可愛い鏡文字 |
並木まどか |
|
入 | 8 | 天辺へひたすら登る蔦紅葉 |
佐野小夜子 |
1 | 十五夜を漫ろ歩きの畑道 |
中山子泉 |
兼題句「紅葉」:
主宰選 | 互選 | 句 | 作者 |
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[地] | 7 | ふるさとの家なき庭の紅葉かな | 並木まどか |
入 | 1 | 行くバスに広がる紅葉臨む沼 | 石川菊子 |
4 | 庭紅葉道草してる伝書鳩 | 小野みゆず | |
4 |
波瑠越しの絵画にまがふ紅葉かな |
長谷川勢津子 |
|
6 | 岩走る飛沫に映ゆる紅葉かな | 鈴木美枝 | |
6 | ひと枝の紅葉を夫に手向けとす | 稲葉道子 | |
[人] | 3 | 復興ソング流るる茶屋の紅葉かな | 荒井イト |
[天] | 7 | 那須岳の紅葉裾までおりて来し | 新井セツ |
5 | 身に酔ひのひろごるごとき紅葉かな | 岸一泉 | |
6 | 紅葉して居間に移さる小鉢かな | 金子如泉 | |
2 | 紅葉のちらりほらりと路の上 | 稲葉貴泉 | |
入 | 5 | 紅さして風と戯る紅葉かな | 井上恵子 |
入 | 7 | 渓流の昔の中なる紅葉茶屋 | 飯島サヨ |
4 | 紅葉してとっぷり暮るる旧街道 | 佐野小夜子 | |
3 | 武蔵野に紅葉来る散歩哉 | 中山子泉 |
嘱目句:
主宰選 | 互選 | 句 | 作者 |
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2 | 街路樹の桜もみじや旅の宿 | 荒井イト | |
2 | 紅葉せる桜街道鬼怒の里 | 稲葉道子 | |
[人] | 2 | 履きなれし靴を磨きて鬼怒の秋 | 小野みゆず |
1 | 湯の宿に明かり灯りて秋くるる | 井上恵子 | |
入 | 7 | 湯の町の日暮れは早き紅葉かな | 鈴木美枝 |
[天] | 2 | 大吊り橋往き交う人等秋惜しむ | 並木まどか |
3 | 一夜漬けの夢の作句や文化の日 | 佐野小夜子 | |
2 | 湯の里の灯りこうこうと渓紅葉 | 長谷川勢津子 | |
2 | 音立てて鬼怒川流る秋の水 | 石川菊子 | |
3 | 石庭に紅葉一葉艶やかに | 井上恵子 | |
入 | 6 | 紅葉の一山光る夕日哉 | 中山子泉 |
1 | 窓越しに紅葉美くし川の宿 | 稲葉貴泉 | |
[地] | 紅葉山両翼にして出で湯かな | 荒井イト | |
入 | 1 | そっと渡るおお吊り橋の紅葉かな | 中山子泉 |
9 | 行く秋や水に始まる米自慢 | 金子如泉 | |
1 | 見下ろせば紅葉燃ゆる谷の里 | 稲葉貴泉 | |
4 | 手の届くほど晩秋の山の明け | 金子如泉 | |
3 | 晩秋の灯火ゆらぐ鬼怒の里 | 小野みゆず | |
入 | 2 | せせらぎや日を呑み谷の夕紅葉 | 荒井セツ |
入 | 10 | 山の彩うつして鬼怒の水澄めり | 長谷川勢津子 |
2 | もみじ宿渓流を背に句会かな | 飯島サヨ | |
入 | 3 | 紅葉山白きホテルを埋みけり | 稲葉道子 |
2 | 西日差す軒をせばめしつるし柿 | 新井セツ | |
2 | 渓流の砕ける水に映ゆ紅葉 | 佐野小夜子 | |
入 | 6 | 瀬音して旅情に浸る夜長かな | 並木まどか |
2 | 紅葉の山懐にして句座の宿 | 飯島サヨ | |
2 | 鬼怒川の吊橋の景薄紅葉 | 石川菊子 | |
4 | ニューさくらその名も親し秋の宿 | 鈴木美枝 | |
入 | 4 | 山下りし風の染めたる紅葉かな | 岸一泉 |
2 | 鬼怒川路紅葉ライン下りかな | 岸一泉 |
(主催選)欠席者投句:
主宰選 | 互選 | 句 | 作者 |
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〇 | 紅葉して明るき庭の家となる | 佐藤篤司 | |
もう少し寝かせてくれと今朝の秋 | 佐藤篤司 | ||
いろは坂紅葉の山野抜きにけり | 川端三雄 | ||
左右共に白髪や蔦紅葉 | 川端三雄 | ||
木漏れ日を吸うて染まりし嵯峨紅葉 | 國井泉車 | ||
〇 | しなる手に恋語らする風の盆 | 國井泉車 | |
〇 | 神祀る洞に落ち行く山紅葉 | 堀昌平 | |
すげかへて踊りに戻る男下駄 | 堀昌平 | ||
紅葉なす式年の宮神遷す | 堀鏡子 | ||
〇 | 夜半の月ひとり占めして終ひ風呂 | 堀鏡子 | |
紅葉してこのままつづく帰の里へ | 田口君枝 | ||
忘れじぞ終戦の夜の空のいろ | 田口君枝 | ||
なつかしき思い出ばかり紅葉狩 | 笠井敏子 | ||
柿甘し亡き父母からの送りもの | 笠井敏子 | ||
永観堂これが昌子の紅葉かな | 三枝正一路 | ||
〇 | 曽根崎の路地の灯りや地蔵盆 | 三枝正一路 | |
知床をまずは色どる紅葉かな | 百瀬序春 | ||
ころぶなと願いし孫の一等賞 | 百瀬序春 | ||
紅葉手に旅情いよいよ深かりし | 洲崎英子 | ||
新蕎麦やテントの下の食べ比べ | 洲崎英子 | ||
古寺や若き僧あり紅葉掃く | 森田正子 | ||
〇 | 待つ人も無く立ちつくす秋夕焼 | 森田正子 | |
常夏の国より帰り目に紅葉 | 中嶋恵美子 | ||
〇 | 吾亦紅介護の愚痴を黙し聞く | 中嶋恵美子 | |
山紅葉天も錦に夕の空 | 岡田寛 | ||
秋深し己が人生顧みむ | 岡田寛 | ||
瀬に映えてやがて遡上の紅葉かな | 下津昭寛 | ||
小糠雨幾許もない秋に居る | 下津昭寛 | ||
母老いて望む紅葉に影ひとつ | 宮沢不二夫 | ||
軽がした栗をノートに閉じ込めて | 宮沢不二夫 | ||
静かなる山の悠久紅葉かな | 吉田洋 | ||
秋となり教え子ぽつぽつやって来る | 吉田洋 | ||
自生して楓幼木初紅葉 | 野沢政江 | ||
赤のままおいて無性になつかしや | 野沢政江 | ||
上毛の三山めぐり紅葉狩 | 塩原正喜 | ||
鈴生りの中の梢や小守柿 | 塩原正喜 | ||
紅葉や思い出遠しいろは坂 | 阿木益夫 | ||
箱根時の魅力や幾年ぞ | 阿木益夫 | ||
ふりそそぐ飛天の衣夕紅葉 | 西原路子 | ||
天鼓やみ地は鳴りとよみ虫の声 | 西原路子 | ||
糠床の機嫌よろしき初紅葉 | 押味路子 | ||
拾いたる団栗袴はきてゐず | 押味路子 | ||
〇 | 老いてなほ歌舞いてみたし紅葉狩 | 新井淳子 | |
朝顔や姉妹で守る湯治宿 | 新井淳子 |